高齢者向け介護予防運動、自治体から受託4倍に

(引用:2009/07/01 日経産業新聞 15ページ)


女性専用フィットネスクラブ運営のカーブスジャパン(東京・中央、増本岳会長兼最高経営責任者=CEO)は高齢者向けの介護予防事業を拡大する。これまでの4市町に加え、7月に新たに政令指定都市の広島市と静岡市でも始め、店舗数は約4倍になる。カーブスは自治体からの受託費として数百万円の収入が見込めるほか、予防事業に参加した高齢者を会員に取り込む考えだ。

同事業は筋力トレーニングなどで身体機能が低下するのを防ぐ運動をクラブ内で実施したり、自宅で特別な運動機器を使わずにできる運動を教えたりするもの。要支援・要介護認定を受けていない高齢者のうち、自治体が要支援・要介護状態になる可能性が高いと決めた人が対象だ。


これまでに4自治体から受託しているが、合計5店舗にとどまっていた。広島市では09年10月までに9店舗で最大72人、静岡市では2010年3月までに7店舗で最大280人を対象とする。カーブスは自治体から受託料を受け取る。参加者は無料で利用できる。週1回、午後1時から3時までの休憩時間のうち1時間半を介護予防に充てる。


施設を効率よく使うほか、プログラム修了後にカーブスに入会してもらえれば、集客にもつながると見ている。一方、自治体は介護予備群を減らすために介護予防事業に力を入れている。


カーブスジャパンは05年の設立。女性専用で、30秒ごとに有酸素運動と油圧式マシンを繰り返す30分間のプログラムを提供している。国内で744店舗を抱えており、大半をフランチャイズチェーン(FC)方式で展開している。



▼▼▼ フランチャイズタイムズの視点(記事コメント)



女性専門フィットネスクラブで業界NO.1のカーブスが予防介護事業を手がけているのが話題になっている。将来的な介護保険費の増加を少しでも抑制したい自治体と、新たな顧客を獲得したいカーブスの思惑が合致した格好だ。

というのも、厚生労働省の介護給付費実態調査を見ると、2007年度の介護給付費の総額は6兆4729億円にもなっており、2020年には介護認定者は約550万人にも達すると予測されている(2005年度は約400万人)。自治体としては、カーブスで、介護認定予備軍に対して機能訓練を実施することによって、将来的に要介護認定者が少なくなることを期待しているのである。一方で、カーブス側としても、自治体からの委託費と継続利用を希望する新たな会員獲得を図れるメリットがある。

このように「いかに介護給付費を抑えながら、高齢者に対して豊かなサービスを提供するか」ということが介護業界のみならず国全体での大きなテーマとなっている。今回のカーブスの取り組みは、その解決への方向性の1つを指し示したといえるかもしれない。

現在、介護関連分野が、フランチャイズ業界において、その高い成長性で注目を集めているが、中でもこうした介護給付費を抑制するようなビジネスモデルをもっている業態は、今後も市場の後押しを受けて成長する可能性が高いと予測される。介護関連FCを検討されている事業者においては、こうした点にも十分に留意する必要があろう。

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